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緊急支援

【パレスチナ・ガザ緊急支援】現地のお母さんナジャットさんたちが深刻な現状を話してくれました

昨年10月の戦闘開始から1年が過ぎた今も、ガザ地区における深刻な人道危機は、収束の兆しを見せていません。

4人の子どものお母さんであり、スタッフとして現地の支援活動にも携わっているナジャットさん。この1年、私生活を犠牲にしながら人道支援に携わってきた彼女は、自分の生活と支援活動とのバランスに苦しんできたといいます。「以前は、安全なオフィスで働くことができ、仕事が好きでした。でも今は、現場に身を置くようになり、まったく違った経験をしています」と話します。

バイクで支援活動へと向かうナジャトさん

ナジャトさんは毎日、自分の子どもたちを残して支援活動へと向かいます。自分も子どもたちも、その日どんな危険にさらされるか分かりません。「子どもたちに行き先を伝えて安心させようとするのですが、とても難しいです。避難を強いられ、親戚たちとも離れて暮らしながら仕事をするというのは複雑です」と話します。

サミさん、タフリールさん夫妻も、何度も避難を強いられました。彼らには5人の子どもがいて、そのうち2人には障がいもあります。暮らしていた家を追われ、2度の避難を経て、現在3回目の避難先であるキャンプで、他の680世帯の避難民とともに暮らしています。

「朝4時に起きて長い列に並び、飲み水を汲むのに3時間以上待つんです」とサミさんは話します。

窮状を訴えるサミさん(左奥の男性)

衛生環境も深刻です。「トイレは複数の世帯に1つしかなく、ひどく汚れています。いつも70人ほどの男女が入り混じって長蛇の列をつくっているので、使うのが恥ずかしくなります」。

人々が過密な環境で暮らすキャンプでは、もはや衛生的であること自体が贅沢なこととなってしまっています。週に1度しかシャワーを浴びることができないため、病気に感染するリスクも常につきまといます。

ゴミの処理など衛生を保つ支援も重要となっている

私たちは、チャイルド・ファンドのイタリアのメンバー団体WeWorldを中心に、支援を届け続けています。これまでに、水を入れるポリタンク、石けん、おむつ、生理用品、衛生キットなどの衛生用品を4万6,000世帯(合計約32万人)に配布してきました。

先行きが見えない状況の中、これからも人々の命と尊厳を守る支援を届けていきます。引き続き、どうかご支援をよろしくお願いいたします。