“ひとはこころでいきる”
チャイルド・ファンド・ジャパンと私
今から30年ほど前のある日、母の知人から“こんなのがあるから読んでみて”と渡されたのが、チャイルド・ファンド・ジャパン(当時CCWA(国際精神里親運動部))の案内でした。そこにはフィリピンのチャイルドのことが紹介されていて、当時ダイビングで出会ったフィリピンの皆さんのことが頭をよぎりました。決して豊かとはいえない生活の中で、異国の私に対して心からのもてなしをして下さったことを思い出し、これで少しはお返しができるかも、と迷うことなくサポートを申し出ました。
その後スリランカ、ネパールのチャイルドが加わり、今は3ヵ国3人のサポートをさせていただいています。この30年余りで何人のチャイルドと出会ったかしら。チャイルドの成長記録、さらに直筆のカードや手紙が手元に届くたびに胸が熱くなります。
ある女の子はサポート終了時の手紙で“勉強する機会に恵まれて将来自立してしっかり生きていきたい”と熱い思いを伝えてくれました。スリランカの男の子は当時2歳で現在18歳になり、最近の手紙には手に職をつけて海外で働きたい。そのために一生懸命勉強している“とメッセージを送ってくれました。小さかった彼は、今は見違えるような立派な青年です。

現在支援中のチャイルド。右が2歳だった頃のスリランカのチャイルド。
どのチャイルドも家族の手伝いをして家族を大切にして1日をしっかり生きていることが伝わります。それぞれの国は私が暮らしている環境とはかけ離れた世界。様々な困難の中でチャイルドたちが暮らしていることを、チャイルド・ファンド・ジャパンを通して目の当たりにし、特に近年”私に何ができるのだろう“と焦りにも近い感情が湧き上がります。
私の祖母は小学校もまともに通えなかったと聞いています。その祖母の最後の手紙にはたどたどしいひらがなでこう記されていました。“ひとはこころでいきる”。チャイルド・ファンド・ジャパンは私の魂をその言葉に繋げてくれます。
50周年おめでとうございます。これからも心と心を繋ぐ架け橋であり続けてください。