ネパール ラメチャップ郡におけるスポンサーシップ・プログラムの終了のお知らせ
チャイルド・ファンド・ジャパンは、2018年3月末をもってネパールのラメチャップ郡におけるスポンサーシップ・プログラムを終了することとなりました。現在支援を受けているチャイルドたちには、勉強を続けるために必要な支援が行われます。ネパールでは今後も大地震で大きな被害を受けたシンドゥパルチョーク郡でスポンサーシップ・プログラムを実施いたします。
チャイルド・ファンド・ジャパンは2010年4月より、ネパールのラメチャップ郡におけるスポンサーシップ・プログラムを開始しました。「すべての子どもたちが学校に通える環境を整え、中等教育を修了する」ことを目標として掲げ、女性と子どもの権利の推進のために活動していた現地のNGOであるRBPW(ラメチャップ・ビジネス&プロフェッショナル・ウィメン)と協働しての事業開始でした。8年間で、これまでに累計378名のチャイルドを支援してきました。
2015年度までには、中等教育を修了し高等教育の受験資格を得たチャイルドの割合が0%から72%に増加しました。また、栄養不良のチャイルドの割合が14%から0%に減少し、学業面だけではなく、健康面でも大きな成果が得られました。数字としては表すことが難しい面においても、支援の成果は表れています。RBPWの現場のスタッフは「教育によって自分の人生を変えることができる、と多くの子どもたちが気付くようになった」と話します。支援を受けた元チャイルドは「参加したプログラムが今も役に立っている」と話しています。チャイルド・ファンド・ジャパンとRBPWは、このような成果をもって当初の目的を達成したと評価し、2018年3月末にスポンサーシップ・プログラムを終了することに合意しました。
ご支援を受けるチャイルドの多くは現在10年生に在籍しており、2017年度末には10年生までの中期中等教育を終え、これまでの修了認定試験(SLC)に代わるSEE(Secondary Education Examination)*を受験することになります。10年生のチャイルドたちには、SEEの受験に備えるための支援が行われます。9年生以下のチャイルドたちは、支援終了後も継続して勉強が続けられるよう、制服や学用品の配布を含む支援が受けられます。
また、ラメチャップ郡は2015年の大地震によって被害を受けた地域でもあります。チャイルド・ファンド・ジャパンとRBPWは地震発生直後から緊急・復興支援を実施し、被災した子どもたち、人々を支えてきました。2017年の9月までには再建を支援したすべての学校の校舎が完成する予定で、子どもたちは新しい教室で勉強することができます。
ラメチャップ郡における支援終了後も、チャイルド・ファンド・ジャパンはシンドゥパルチョーク郡での支援を継続して行います。皆さまにご理解いただき、引き続きネパールの子どもたちをご支援くださいますよう、心よりお願いいたします。
*SEE: Secondary Education Examination: ネパールの教育基本法の改正により、これまで中等教育修了資格を与えていたSLC(School Leaving Certificate)に代わって、10年生には11年生への進級のためのSEEが実施されることになりました。