フィリピンにおける2つのセンターの支援終了のご報告
チャイルド・ファンド・ジャパンは2018年5月をもって、フィリピン・ヌエバビスカヤ州(センター49)、およびコタバト州(センター50)の2つのセンターで支援活動を終了しました。センター49は2003年から15年間、センター50は2004年から14年間にわたってスポンサーシップ・プログラムによる子どもたちの支援を継続してきました。長年にわたるスポンサーの皆さまからのご支援に心から感謝を申しあげますとともに、センターが生み出してきた成果についてご報告いたします。
アルダースゲート・クリスチャン・チャイルド・センター(センター49)
ルソン島東北部に位置する支援地域は、少数民族なども住む僻地の農村地帯でした。15年間で3ヵ村の381名の子どもたちが支援を受け、小学校も卒業できない子どもが多かったこの地域で、80名の子どもがハイスクールを卒業し、11名は大学教育を終えることができました。補食プログラムや親への栄養指導により、開始当時は35%だった栄養不良の子どもの割合が、2016年には1%まで減少しました。それぞれの村には小さな協同組合がつくられ、支援を受けるチャイルドの家庭が行う小規模ビジネスに資金提供し、家庭の収入を向上させています。こうした活動を通して子どもたちや地域の人々は、自分たちの生活を向上させるための意識を育み、具体的な成果をあげてきました。
補食プログラム実施の様子
チルドレンズ・エデュケーション・アンド・ウェルフェア・アシスタンス・センター(センター50)
ミンダナオ島中部の農村地域であるカライサン村を中心に、14年間で258名の子どもたちやその家族が支援を受けました。水やトイレなどの生活インフラが乏しく、医療サービスや教育サービスが届きにくいこの村で、センターは水の設備を建設したり、保健所のサービスが届くように仲介するなどして衛生環境を整えました。結核にかかった親や子どもたちの治療を行い、補食プログラムや栄養指導、寄生虫の駆除により子どもたちが健康で学校に通える環境を整えてきました。この結果小学校への就学率が改善され、同時に、補習の実施などにより85%の子どもが80点以上の成績をあげられるようになりました。ハイスクールへ進学できる子どもも増え、早期婚で教育の機会を失う子どもも減りました。16名が大学を卒業することができました。教育を終えた子どもたちは就労の機会が増え、家族への収入向上訓練の成果もあって、支援を受ける家庭の平均収入は支援開始当初のおよそ4倍に増えています。
手の洗い方の指導を受けるチャイルドたち
センターの自立を祝う式典が行われました
それぞれのセンターで、支援からの自立を祝う式典が行われました。どちらの式典も、チャイルドやその家族、元チャイルドたち、村議会の議員など多くの出席者が集まり、センターの新たな出発をにぎやかに祝いました。式典では、チャイルドやチャイルドの保護者代表、元チャイルドなどがスピーチを行い、今までの支援への感謝の言葉とともに、これからは自分たちの力で子どもたちの教育を支え、地域の人々の生活を向上させていくという決意が語られました。
センター50の自立を祝う式典にて
フィリピンではこの2つのセンターへの支援終結後も、11ヵ所のセンターで子どもたちへの支援を継続しています。子どもたちの未来を開く支援のために、今後とも皆さまからの温かいご支援をお願い申しあげます。現在のフィリピンの支援地域の情報は、こちらからご覧になれます。