もう一度6年生、でも勉強できるなら ~サマナのストーリー~
サマナは、将来看護師になりたいという夢を持ち、苦手な科目にも一生懸命取り組む6年生でした。自宅から学校までは歩いて30分、片道2~3時間かけて通学する子どもたちに比べたら、学校に近い場所に住んでいたこともあり、毎日きちんと学校に通っていたサマナがある日突然学校に来なくなりました。
「きちんと学校に通わせる」ことを条件に、両親が近隣の町に住むお金持ちの家庭にサマナを預けたからです。両親と姉とサマナの4人家族が離れ離れになることは辛い事でしたが、設備の整った町の学校で良い教育を受けられるなら、と両親が決断したのです。
しかし、サマナが町の学校に通うことはありませんでした。預けられた家の子どもたちの子守や家事を手伝う毎日で、大好きだった英語や社会を学ぶことはありませんでした。
この事態を知った両親がサマナを慌てて連れ戻し、家族はまた一緒に暮らすことになりました。
サマナ(中央)とお母さん(右)とお姉さん(左)
学校に通えなかった期間の遅れを取り戻すため、サマナは一生懸命勉強しましたが、1年間の出席率が47%という結果だったため、残念ながらサマナは留年。もう一度6年生をやり直すことになりました。
「もう一度6年生かって思ったけど、でも勉強できるからそれは良かったと思う。勉強して、大好きな家に帰ったらお母さんのそばでお手伝いができるのが嬉しい」。真面目なサマナは言葉を選びながら答えます。
サマナは現在、チャイルド・ファンド・ジャパンのスポンサーシップ・プログラムを通して、支援を受けています。
サマナの将来の夢は看護師から学校の先生に変わりました。自分が知っていることを友だちに教えると「あ、そうか!」と友だちが理解することがあり、その瞬間がとても嬉しいからだそうです。
サマナは新たなスタートを切ったばかりです。チャイルド・ファンド・ジャパンはサマナをサポートし、子どもたちが児童労働や人身売買にあわないように努力を重ねていきます。