「子どもの権利条約」30周年を迎え
1989年11月20日、国連総会で子どもの基本的人権を国際的に保障するために定められた条約「児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)」が採択され、今年で30年が経ちます。この11月20日「世界子どもの日」は、1954年、世界の子どもたちの相互理解と福祉の向上を目的として、国連によって制定された国際デーでもあります。
この特別な日を迎えるにあたり、チャイルド・ファンド・ジャパンはこれまでの活動を振り返りながら、決意を新たにします。
チャイルド・ファンド・ジャパンの活動は、1948年、前身である基督教児童福祉会(CCWA)が、第二次大戦後の厳しい環境のなか、児童養護施設で生活する戦災孤児たちの健全な成長を支えるところから始まりました。当時、決して豊ではなかったアメリカ・カナダの人々からの寄付は26年間で56億円にのぼり、86,000人の日本の子どもたちがその恩恵を受けました。1974年、日本の子どもたちへの支援を終結する際、これまでの善意を途切れさせるのではなく、「愛のバトンタッチ」として順送りの恩返しをすることを決め、1975年より国際精神里親運動部を設置して、国際協力活動を開始した歴史があります。
当時支援を受ける子どもたち
それから約45年、アジアの子どもたちが健全に成長し、教育を受けるための支援を続けてきました。これまでに約30,000人の子どもたちが支援を受け、フィリピンでは支援を受けた子どもたちの進級率が98%まであがる成果を得ています。
一方で、子どもたちを取り巻く環境が時代とともに変わり、国際協力活動に求められる子どもたちの課題も広がり、様々な社会問題から子どもたちを守らなければならなくなりました。チャイルド・ファンド・ジャパンは「子どもの権利条約」の4つの柱、「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」が守られることを最優先にこれからも活動をおこなってまいります。
チャイルド・ファンド・ジャパンが大切にしている「子どもの権利条約」の4つの柱
(財)日本ユニセフ協会発行「子どもの権利条約カードブック」参考。
チャイルド・ファンド・ジャパンは2005年に国際的なネットワーク組織である、チャイルド・ファンド・アライアンスに加盟し、その後、他のアライアンス加盟国とともに、子どもたちへの暴力と搾取のない社会づくりを目指した国際キャンペーン「Free from violence and exploitation」を実施しました。こうした活動により国連の持続可能な開発目標(SDGs)の目標16「平和と公正をすべての人に」の中に「子どもに対する虐待、搾取、人身売買およびあらゆる形態の暴力および拷問を撲滅する。」という項目が掲げられました。
また昨年、子どもたちをあらゆる危害から守る組織になるため、「子どものセーフガーディング方針」を作成いたしました。まずはチャイルド・ファンド・ジャパンの役職員がこの方針を遵守して、子どもたちを守ります。
チャイルド・ファンド・ジャパンは厳しい環境の中でも子どもたちが守られ、子どもたちが自らの可能性を拡げられるよう、引き続き活動をおこなってまいります。