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感染爆発で深刻さを増すスリランカの支援地域

世界各国で変異株を含めた新型コロナウイルスの感染が広がる中、チャイルド・ファンド・ジャパンの支援国の1つスリランカでは、4月から極めて厳しい状況が続いています。

スリランカでは、昨年秋まで、比較的感染状況は落ち着いていましたが、10月に入り工場でのクラスターが発生し感染が拡大。その後今年の2月から3月は減少傾向にあったものの、4月下旬頃から感染力の高い変異株の影響もあり、感染が爆発。1日の新規感染者数が3,000人以上(日本の人口に換算すると15,000人以上)となる日もあり、深刻な状況にあります。

感染状況の推移。水色が1日の新規感染者数、黒が1日の死亡者数を表している。(WHOのサイトより)

最大都市のコロンボを含む西部での感染が中心となっていますが、ここ最近では、それ以外のエリアでも拡大傾向にあり、チャイルド・ファンドの支援地域にも感染が広がりつつあります。

昨年10月と今年5月のスリランカ全土の状況。赤いところほど状況が厳しいエリアであることを表す(スリランカ保健省より)。

感染増にともなって医療体制もひっ迫しつつあります。また、医療機器が不十分な施設も少なくなく、医療機器不足のために亡くなってしまった人も報告されています。ワシントン大学によれば、今年の9月までに、死亡者数が2万人に達するとも予測されています。

政府は、これ以上の感染拡大を防ぐため、全土にわたる移動制限を敷いており、さらなる制限が行われる可能性も高くなっています。ワクチン接種は進んでいますが、当初インドより提供されるはずだったワクチンが、インド自体の感染爆発によって中止となってしまいました。現在、中国やロシアのワクチンの導入を進めていますが、対応が追い付いていない状況です。

経済への打撃も深刻です。支援地域では、多くの家庭が農業や漁業で生計を立てていたり、日雇い労働者として働いていたりしますが、経済の停滞が家庭の仕事にも影響をおよぼし、日々の食糧の確保にも危険が迫っており、子どもたちの健康と栄養状態にも影響が出始めています。

チャイルド・ファンド・ジャパンでは、これまでも食糧支援や、感染予防の支援、教育支援などを行ってきました。感染予防キットを約1万人に配布し、約6,000世帯に食糧の配布や現金の支給を行いました(チャイルド・ファンド・アライアンスの他の加盟団体の支援も含む)。

感染予防のためのマスクを受け取る子ども

マスクをしながら勉強に取り組む子どもたち

しかし、現在の厳しい状況に対し、さらなる支援が必要となっており、チャイルド・ファンドでは、引き続き、以下の支援を予定しています。

・ポスターや動画、ラジオなどを活用し、感染予防のための啓発を続けていきます。

・公的な支援などを十分に受けられていない家庭には、適宜食糧を配布します。

・フェイスシールドやマスク、消毒剤など、感染予防のためのキットを配布します。

・医療機器などを提供し、医療サービスの強化をはかります。

特に、感染によって隔離中の家庭、行動制限などで食糧や医薬品、マスクなどの入手が難しくなっている地域を中心に支援を行うとともに、啓発活動にあたっては、行政とも連携し、マスメディアやソーシャルメディアなどを通して、広く情報を伝えていきます。

チャイルド・ファンドでは、アライアンスのネットワークを活かし、スリランカのコロナ対応の支援活動を強化していきます。チャイルド・ファンド・ジャパンも、連携しながら支援を促進していきます。