自分と同じ環境にいる子どもたちを守りたい ~ リーダーとして活躍するクリサのストーリー ~
フィリピンで暮らす18歳の女の子クリサ。彼女はいま、青少年組織のリーダーとして、地域の子どもたちを支える活動に取り組んでいます。
今でこそリーダーシップを発揮しているクリサですが、はじめから活発な子どもだったわけではありません。支援を受け始めた当時、クリサはとても恥ずかしがりやで、内気な性格のため友だちも多くありませんでした。
彼女が変わっていったのは10代になってから。センターの活動に参加して、様々な役割をこなし、最終的には青少年組織のリーダーとなっていきました。
クリサは、支援を受け始めたころを振り返って、「はじめは、義務だから仕方ないという気持ちで、センターの活動に参加していました。」と話します。しかし、活動に参加する中で、徐々に気持ちや態度に変化があらわれ、ほかの子どもたちを助ける活動に自らかかわるようになっていきました。特に、自分と同じように厳しい環境で暮らしている子どもたちを積極的にサポートするようになりました。
クリサは、スポンサーシップ・プログラムを通して、様々な経験を積んできました。子どもたちの悩みや不安についてほかのリーダーと話し合ったり、研修でコミュニケーションやリーダーシップについて学んだり、地方や全国フォーラムで子どもたちが抱える問題を聞いてもらうようにしたり。こうした経験によって、視野が広がり、自分と同じような環境にいる子どもたちを守っていかなければならないと考えるようになったそうです。
青少年組織のリーダーとして活動してきたクリサは、これまでに、水と衛生の取り組み「WASH」の活動をひっぱり、子どもの保護に関するセッションでファシリテーターを務めるなど、幅広く活躍しています。
また、フィリピンでは、刑事責任を問われる年齢を引き下げようとする動きがありますが、クリサはこの動きに反対しています。「法律に抵触することをしてしまったとしても、子どもたちには、人生をやり直し、よりよい市民として未来を生きていく機会が与えられるべきだと思います。」とクリサは主張します。
クリサはいじめの問題についても強い関心をもっています。「誰かに傷つけられていい人なんていません。いじめが見過ごされてしまえば、差別が当たり前となり、子どもたちはそういうものだと思い込いこんでしまうでしょう。」
チャイルド・ファンド・ジャパンでは、子どもたちの健康や教育を支えるだけでなく、リーダーシップなどの内面的な成長も支えています。自分自身に自信をもち、将来を切り開いていくことができるようにするとともに、地域を支える存在を育て、子どもが守られる地域をこれからもつくり続けていきます。