チャイルド・ファンド・ジャパン

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ドラッグやオンラインでの搾取から子どもたちを守る

チャイルド・ファンド・ジャパンの活動の柱の一つである「子どもの保護」。子どもたちを、あらゆる暴力・搾取から守るための活動です。SDGsの16.2にも「子供に対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問を撲滅する。」と掲げられているように、子どもたちを取り巻く重要な課題の一つです。

フィリピンではこれまで、現地のスタッフによる地域住民や子どもたちへの研修、子どもたち自身が行うポスター作成やデモパレードなど、様々な形で子どもの保護に関する活動を行ってきています。現在はコロナ禍で、子どもたち主体の活動は難しくなっていますが、感染予防に気をつけながら、研修や啓発教材の配布などを続けています。

こちらの写真は、西ネグロス州(センター24)で行った研修の様子です。青少年グループのリーダーの子どもたちが主体となって企画したこの研修では、警察官を講師として招き、違法ドラッグの危険性について地域の大人や青少年に伝えました。

今回の研修で学んだことをふまえて、青少年グループでは、違法ドラッグについての啓発教材を作成する予定です。フィリピンでは違法ドラッグの売買が横行している実態があり、子どもたちもそのリスクにさらされています。研修や教材配布などを通して、子どもたちがドラッグの被害者にならないように取り組んでいます。

こちらの写真は、東ミサミス州(センター48)での子どもたちの様子です。手に持っているのは子どもの保護に関する教材です。

表紙の手のイラストと同じポーズをとる子どもたち。イラストの上には「STOP HUMAN TRAFFICKING(人身売買を食い止める)」 とかかれています。

この教材は現地で協力関係を結んでいるNGOが作成したもの。子どもの権利、人身売買、オンラインでの子どもの搾取、関連するフィリピンの法律といった内容で構成されています。イラストやQ&A形式を取り入れながらかかれていて、子どもたちにも分かりやすいように工夫されています。

教材は子どもたちに配られるとともに、保護者などにもオンラインで見られるリンクが案内されました。また、子どもたちはこの教材を作成したNGOのオンライン研修も受講し、理解を深めています。

カビテ州(センター35)でも、こうした取り組みを進めています。以下の写真は、現地で行った研修の様子。オンラインでの子どもの搾取に焦点を当てて行われました。

このセッションの講師の一人は、以前チャイルド・ファンド・ジャパンの支援を受けていた子どもです。2020年の2月にタイのバンコクで行われたオンラインでの性的搾取に関する会議に参加し、今回はそれを生かして講師を務めました。

研修では「オンラインでの搾取にはどのような種類のものがあるか」「どうやって自分自身を守ればよいか」などを子どもたちに伝えています。また、「もし思わぬことが起こったり、不安なことがあったりしたときには、すぐに親や保護者に伝えることが大切」といったことも教えています。

今回お伝えした子どもの保護、特にオンラインでの子どもの搾取は、昨今の大きな課題の一つです。チャイルド・ファンドでは、アライアンス全体で力を入れて取り組むべき課題として位置づけています。今後、こうした研修などをより一層充実させ、子どもたちをあらゆる暴力から守るための支援を行っていきます。