パレスチナとイスラエルの武力衝突における人道危機に関する声明
チャイルド・ファンド・ジャパンが加盟するチャイルド・ファンド・アライアンスは、パレスチナとイスラエルの武力衝突における子どもたちや家族の保護に関して、以下の声明を発表しました。
チャイルド・ファンド・アライアンスは、パレスチナとイスラエルにおいて暴力が続く中、国際人道法の下での義務を尊重し遵守するよう、すべての当事者に要請します。
紛争行為の即時停止と緊急人道支援が、一般市民の命を守るために必要不可欠です。
2023年10月11日
チャイルド・ファンド・アライアンスは、ガザ地区とその周辺におけるこの度の紛争において、暴力が行使され、人々の人権と子どもの権利が組織的に侵害されていることを非難します。チャイルド・ファンド・アライアンスのメンバーは、何千人もの罪のない市民、特に女性や子ども、その他の脆弱な立場にある人々の命が失われてしまったことを受け、国際人道法上の義務が守られること、また、緊急人道支援を可能にする安全な人道回廊が提供されることを求めます。
数十年にわたるパレスチナ人とイスラエル人の紛争により、深刻な抗争といつまでも続く破壊行為の中で暮らしている子どもたちや家族、地域社会は、これまでも取り残されてきました。チャイルド・ファンド・アライアンスは、今回の新たな紛争が、犠牲者の増加、住む場所を追われる市民の増加と市民生活への甚大な影響を引き起こしていることに大きな懸念を抱いています。
チャイルド・ファンド・アライアンスのイタリアのメンバーであるWeWorldは、30年以上にわたってパレスチナで様々な支援活動を行ってきました。WeWorldは、ガザ地区に住むスタッフとその家族の安全を確保するため、迅速に対応しています。戦闘が続く中、子どもたちの保護と健康・幸福は、今後もリスクにさらされ続けるでしょう。チャイルド・ファンド・アライアンスは、人道支援を拒否することは重大な違反であると考え、すべての当事者に対し、国際人道法の下での義務を尊重し、遵守するよう求めます※。
チャイルド・ファンド・アライアンスは、すべての当事者に対し、停戦し、さらなる人命の損失を防ぐために、交渉を再開することを求めるとともに、以下の緊急人道的な行動を求めます。
・ガザ地区の内外の人々の安全な移動を可能にするための人道回廊の設置を優先すること。
・紛争の影響を受けた子どもたちや家族に、緊急支援を確実に届けられるようにすること。
・国際人道法を遵守し、市民に対する迅速かつ無制限の救援活動を確保すること。市民、医療施設、学校などを攻撃の対象にしないこと。
・即時停戦のための行動をとり、人権と国際法の規範と原則に基づく交渉の場を再開すること。
・根本原因を直視し、この危機の背景・文脈の理解を促進すること。
・子どもたちと家族の安全、暴力からの保護を保障するため、直ちに外交交渉を再開すること。
チャイルド・ファンド・アライアンスについて
チャイルド・ファンド・アライアンスは、子どもに焦点をあてた開発と人道支援を行う11の組織からなる世界的なネットワークで、世界70カ国で約3,600万人の子どもたちとその家族を支援しています。メンバー団体は、子どもに対する暴力や搾取をなくすために活動し、緊急時や災害時における子どもたちや地域への悪影響を緩和するために専門的な知識を提供し、子どもたち、家族、地域社会を巻き込み、持続的な変化を生み出しています。私たちの活動、リソース、革新性、専門性は、世界中の子どもたちとその家族の生活を変えるための強力な力となっています。
※紛争下における人道支援の拒否は、国連安全保障理事会が指定し、非難している6つの重大な違反のうちの一つである。