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スリランカの子どもたちに自転車を届けました!

チャイルド・ファンド・ジャパンは、経済危機によって物価の大幅な高騰などが起こったスリランカに対して、子どもたちへの自転車支援プロジェクトを進めてきました。これまでにプロジェクトをご支援くださった皆さま、誠にありがとうございました。今年4月、皆さまのご支援のもと、実際に現地で子どもたちに自転車を配布し、記念の式典も行うことができました。

スリランカは、2022年春、新型コロナウイルスによる外国人観光客の激減などから外貨不足に陥り、債務不履行(デフォルト)に陥ってしまいました。物価も大幅に上昇し、食料品の価格が2倍になるなど、国民の生活は極めて大きな影響を受けました。

そうした中で、子どもたちの教育に大きな影響を及ぼしたのが、公共交通機関の運賃の高騰です。ガソリンなどの燃料不足によって、バスなどの運賃が大幅に上がってしまい、支援地域の経済的に貧しい家庭の子どもたちは、学校へ通うことが今まで以上に困難となりました。特に、職業訓練校などに通うユース世代の子どもたちについては、実に85%が、学校を休みがちになるといった状況に陥りました。

燃料不足で、一時、ガソリンスタンドには長蛇の列ができた

チャイルド・ファンド・ジャパンは、交通費の現金補助を行うなどの支援を行いましたが、これと並行して、日本の中古自転車を現地へ届けるプロジェクトをスタート。在スリランカ日本国大使館の協力のもと、日本の自治体から中古自転車の提供を受け、子どもたちへ届けるプロジェクトです。

最終的に、5つの自治体から合計517台の自転車の提供を受け、整備・修理などを行った上で、スリランカの8つの支援地域(117校区)へ配布しました。支援の対象となったのは、地域の中でも特に経済的に厳しく、学校からの距離が遠い、12~16歳の子どもたちです。

4月1日には、自転車の贈呈式典を開催。スリランカの教育省大臣、在スリランカ日本国大使館の水越大使、チャイルド・ファンド・スリランカ カントリーディレクター(事務所長)、チャイルド・ファンド・ジャパン職員石田らが参加するとともに、支援を受ける子どもたちの代表3名も参加しました。

水越大使は、個人的にもサイクリングを楽しまれるとのことで、会場に届いた自転車の状態を確かめながら「よいものがおくられましたね」と喜びを言葉にしてくださいました。

式典後には、代表の子どもたちがさっそく建物の外で自転車に試乗。すいすいと乗りこなし、笑顔を見せてくれました。

さらに4月3日には、支援地域の一つモナラーガラ県において、自転車の贈呈を行いました。式典では、「日本で、この自転車を先に使った人がしてくれたのと同じように、自分の弟や妹、周りの子どもたちがまた使えるよう、大切に使いましょう。これからもスリランカと日本の友情を大切にしましょう。」と確認しあいました。

最初、子どもたちはとても緊張した面持ちでしたが、自転車を受け取る際には一気に顔がほころんでいました。また、先生方や参加した保護者の方々からも喜びの様子があふれていました。翌日には、早速寄贈された自転車をこいでいる子どもたちが見受けられました。

スリランカの経済危機は国際通貨基金の介入もあり、食料品の価格が以前の水準まで戻るなど、一時期と比較すると大幅に改善されています。しかし、ガソリンなどの燃料は経済危機前の2倍程度で高止まりしてしまっているなど、依然として人々の生活に大きな影響を与えています。

チャイルド・ファンド・ジャパンは、これからも子どもたちの教育、栄養などを守り続けるため、様々な支援を続けていきます。