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プログラムへの参加が自分の殻をやぶるきっかけに!スリランカの男の子アローシャのストーリー

スリランカ北西部の支援地域プッタラム県で暮らすアローシャ。彼は17歳で、5人兄弟の末っ子です。家族は農業で生計を立てています。アローシャは、青年期の子どもたちを対象に行われたリーダーシップを養うための研修、チームワークや団結力を培うためのアクティビティなどを行うプログラムに参加しました。

プログラムに参加したばかりのとき、アローシャは人生の目標や夢がなく、高等教育へ進むための全国試験に向けた勉強をしていましたが、合格する自信もありませんでした。

「人生の目標をもてないまま、いつも家で過ごしていました。両親ともあまりかかわることがありませんでした。」

アローシャはそう振り返ります。

アローシャと同年代の25名のユースとともに始まったこのプログラム。その中には、「My Life Plan」という自分の人生の目標を設定し、どのようにその目標を達成していくかを学ぶ研修もありました。アローシャの目標の中には、「このプログラムのリーダーになること」が含まれていましたが、そのとき彼は友人たちやチームの中で自分自身が先頭に立ち、リードすることに恥ずかしさや怖さを感じていました。

その後、リーダーシップについての研修が始まり、アローシャの成長は彼の言動に表れ始めました。会議では、同年代だけでなく年上の地域住民とも積極的に議論を交わせるようになり、プログラムを通してかかわった地域の行政関係者とも良好な関係を築きました。

そして、アローシャはこのプログラムのリーダーとユースクラブの会長を立派に務めあげるまでになりました。今では、住んでいる地域の課題を見出したり、解決に向けてどう活動をしていくかを検討したりする中で、そのリーダーシップを発揮しています。コロンボで行われた気候変動会議にも参加し、土地の荒廃についてスピーチを行いました。

地域の会議でアローシャが話した際には、母親もその様子を見に来て、彼に起こった大きな変化を喜び、アローシャを褒めたといいます。

アローシャが地域の会議でスピーチを行ったときの様子

現在、彼は「全国試験を良い成績で合格すること」「社会から認められる仕事ができる大人になること」「自分自身の将来のプラン形成をすること」の3つの目標を掲げ、毎日の生活を送っています。

プログラムに参加したことを振り返り、アローシャはこう話してくれました。

「今まで勉強以外の活動には参加しませんでしたし、人前で話すのが怖かったです。でも、My Life Plan研修で自分の目標を設定し、それを明確にすることの重要性に気づきました。このプログラムに参加したことが、自分の殻をやぶるきっかけになりました。」

彼のスピーチは多くの人に称賛された。

支援をきっかけに、自身の将来について前向きに考えはじめたアローシャ。チャイルド・ファンド・ジャパンは、すべての子どもたちに開かれた未来と届けるために、これからも支援活動を行っていきます。