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フィリピン イザベラ州の学校に図書コーナーを設置しました

支援地域の一つ、フィリピンのルソン島北部、イサベラ州。チャイルド・ファンド・ジャパンは、2024年度、ウェスレー財団の助成金を受け、図書コーナー設置プロジェクトを実施しました。

イサベラ州の支援地域では、多くの家庭が農作業の季節労働で生計を立てており、収入はとても限られています。教育に関しても、文房具や制服をそろえるのがやっとという家庭が多く、家に本が一冊もないという家庭も珍しくありません。さらに、子どもたちが通う学校には図書室がなく、地域の公立の図書館もありません。インターネットもつながりにくいため、子どもたちが本を読んだり、調べものをしたりする機会もほとんどありませんでした。

こうした中、チャイルド・ファンド・ジャパンは、現地の協力団体とともに、「Open a Book, Open a World(本をひらけば世界がひらく)」プロジェクトを実施。目的は、子どもたちが読書に親しみ、読み書きの力を伸ばすことです。

プロジェクトでは、5つの学校の4~6年生の各教室に「図書コーナー」をつくりました。クッションやマットを敷いた居心地のよい空間に、絵本などの読み物、合計約1,500冊を用意。さらに、英語とタガログ語の辞書、世界地図なども設置し、子どもたちの学びがより豊かになるように配慮しました。毎週金曜日の午後には読書の時間が設けられ、休み時間にも自由に本を読むことができるようになりました。

プロジェクトが始まってから、子どもたちの読書量はぐんと増えました。わずか2カ月の間に、各教室に置かれた約50冊の本を多くの子が読み終えてしまうほどです。

また、読書の習慣ができることで、子どもたちの読み書きの力にも変化が現れました。フィリピンでは、コロナ禍に2年以上にわたって学校での対面授業が停止され、その後子どもたちの読み書きの能力は大幅に下がってしまいました。今回、図書コーナーの支援を行ったことで、特に6年生では、読み書きの力が伸びた子が多く見られました。

プロジェクトの成功には、先生たちの協力も大きな力となりました。先生たちは毎月、子どもたちの読書状況や読み書きの力を確認し、それぞれの成長をていねいに見守ってきました。

本があることで、子どもたちの目がキラキラと輝きはじめました。読書を通して自信をつけ、授業にも積極的に参加するようになった子もいます。参加した学校は、今後も読書コーナーを活用し、子どもたちの学びを応援し続けると約束してくれました。

4月には東京事務所の職員が直接学校を訪問。子どもたちにも会い、図書コーナーができた喜びを直接聞くことができました。

「本をたくさん読めるようになって、とても嬉しいです。国語の力を高めるのにとても役立っています。」「先生もこの図書コーナーができて、とても喜んでいました。ありがとうございます!」

教室の一角にできた図書コーナーが、子どもたちの未来をひらく大きな一歩に。チャイルド・ファンド・ジャパンは、これからもこうした図書の支援などを含め、子どもたちの教育を支える支援を続けていきます。