ネパールで先生の能力強化のための研修を行いました
チャイルド・ファンド・ジャパンの支援するネパールでは、学校の教育の質が課題の1つとなっています。教師になるために必要な教育を十分に受けずに先生となる人も少なくありません。
教育の質が低いことは、子どもたちの学力の低下を招き、進級試験に合格できずに学校へ行くことをあきらめてしまう子どもも生んでしまいます。SDGsの目標4でも、「質の高い教育をみんなに」が掲げられており、教育の「機会」はもとより、教育の「質」も、取り組むべき重要な課題として位置付けられています。
チャイルド・ファンド・ジャパンでは、こうした課題を解決するため、先生の能力強化を支援しています。昨年は、新型コロナウイルスの影響により、研修を行うことが難しい時期もありましたが、現在は、感染予防に気をつけながら、研修を行っています。
先日行った研修では、先生たちが、子どもにやさしい教え方について学んだほか、学習に効果的な教材を先生たち自身で作ってみるという実践的な活動を行いました。学校予算が十分にとれない場合もあることから、色紙や糊といったコストのかからないもので作れる教材に焦点をあてて、教材作りを行いました。
子どもにやさしい教え方についての研修を受ける先生たち
紙や糊などを使って、実際に教材作りに取り組みました
また、学校運営員会の委員長からは、現在の厳しい状況の中で働く先生たちへ向けて、激励のお話がありました。
「今年度、新型コロナウイルスの影響によって、学校は8ヵ月もの休校を余儀なくされ、子どもたちは教育の機会を奪われてしまいました。私たちはこの困難な状況において、大きな役割を担っています。今回の研修で、実現可能な教授プランを作成しなければなりません。また、学校の教育の質を高めていかなければなりません。私たちは、自分たちの役割と仕事に責任をもたなければならないのです。 」
研修後には、先生たちから、研修に対する感謝の声が届きました。
「今回の研修はとても有益で実践的でした。子どもにやさしい教え方と教材開発について学ぶことができ、カリキュラム、国語や数学の新しい教え方、子どもを中心にした学習について、たくさんの知識を得ることができました。教材作りも行うことができてとてもよかったです。」 (学校の校長先生)
ネパールでは、現在、新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、ロックダウンの可能性も高まっています。チャイルド・ファンド・ジャパンでは、今後も、感染予防対策を行うとともに、こうした研修を通じて、子どもたちへ質の高い教育を届けることができるよう、支援を続けていきます。