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災害に強い学校づくりプロジェクト第3期の事業が完了しました!

ネパールでは、日本NGO連携無償資金協力と、皆さまからのご支援により、2021年2月より「災害に強い学校づくりプロジェクト 第3期」として、耐震性の高い校舎の建設や、防災研修などを実施してきました。

ネパールでは2015年、マグニチュード7.8の大地震が発生し、多くの方が犠牲になりました。本事業の対象地であるシンドゥパルチョーク郡では、9割にあたる567校が全半壊し、7万人を超える生徒が長期間にわたり野外や仮設校舎で授業を受けるなどの影響を受けました。

本事業により、ネパール教育省の学校安全基準を満たす耐震性の高い校舎の建設が昨年2月より始まり、先日、2階建て8教室の新しい校舎が完成しました。

完成した2階建て8教室の新しい校舎

低学年用の教室

新しい教室で勉強する子どもたち(4年生)

校舎敷地内には、手洗い場も設置しました。清潔な水が使えることで、感染症の予防など、子どもたちの衛生環境を整えることができました。

校舎脇の手洗い場

今年は、新型コロナウィルスの感染状況を鑑み、完成後に行う予定だった竣工式は中止としました。しかし、子どもたちや先生からは、校舎の建設に対して感謝や喜びの声がたくさん届きました。

「これまでの学校は屋根がトタンでできていたので、雨の日は雨漏りがひどい上、屋根に打ちつける雨の音で、先生の声が聞こえず、授業に集中できませんでした。新しい校舎は天気に関係なく勉強に集中できるので、とってもうれしいです!」(4年生・男の子)

「以前の学校はとても古く、地震や嵐が来たら倒れてしまうのではないかととても心配だったので、新しい学校で安心して勉強できることがうれしいです。友達と走りまわれる大きな校庭や、色鮮やかな花壇もあり、新しい学校で時間を過ごすのがとても楽しいです。」(5年生・女の子)

「2015年の地震以降、私たちは雨風すら十分にしのげないような校舎での学校運営を余儀なくされており、強い嵐が来るたびにいつトタン屋根が吹き飛ばされるか分からない状態でした。学校が建設されてから、子どもたちの出席率にも既に良い傾向が表れ始めています。皆さまの温かいご支援に心から感謝の意を表します。」(ラクタカリ校 校長先生)

また、このプロジェクトでは、校舎の建設だけでなく、近隣2校の教員や生徒も対象とし、将来的に起こりうる災害に備え、子どもたちへの防災教育や避難訓練、教員や学校関係者への防災研修、そして学校防災計画の策定を行いました。

避難訓練をする子どもたち

教員向け防災研修

研修の参加者は次のように話しています。

「今回の研修で、子どもたちに地震やそれにより起こりうる地滑り、こうした危険からどう身を守るべきかを、ゲームなどを用いて分かりやすく伝える方法を学ぶことができました。近隣の学校の教員仲間にも、学んだことを共有したいと思います。」(クリシュナ先生)

今回の事業を担当した現地駐在プロジェクト・マネージャー(現在はネパール事務所長)の滝田は、1年間の事業の終了を迎え、次のように話しています。

「この学校に通う児童の多くはダリット(ネパールに存在するカースト制度に属さない、不可触民とされる人々)やパハリ族と呼ばれる先住民族など、社会的に脆弱な立場にいる人々の子どもたちです。中には片道2時間かけて徒歩で通っている子もいます。薄暗い中一人で歩いている子どもを見ると、『野生のヒョウに襲われないだろうか』などと心配になります。コロナや長時間の通学、ヒョウとの遭遇…。ネパールの子どもたちが学校に通うこと、それ自体が格闘のように、私の目には映ります。
そんな子どもたちをいつも温かく迎えいれる学校になってほしいです。」

これまでの皆さまからの多大なご支援により、シンドゥパルチョーク郡では、このプロジェクトを通して3つの学校で校舎の再建を行うことができ、多くの子どもたちの教育環境を整えることができました。ご支援くださった皆さま、誠にありがとうございます。

同郡の校舎再建は、チャイルド・ファンド・ジャパンの他のプロジェクトやネパール政府が進める事業などによって、一定のめどがたった状況となりました。チャイルド・ファンド・ジャパンでは、引き続きネパールの子どもたちの教育を守り続けるため、本プロジェクトで得た知見を新しいプロジェクトへと引き継ぎ、ニーズのある支援地域に移って学校建設・教育の質向上のための研修事業などを行ってまいります。プロジェクトの詳細は、近日あらためてホームページでご案内いたします。

皆さまからの引き続きの温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。