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深刻化するスリランカの経済危機 ~ 短期的、長期的な支援で子どもたちを守る ~

給食プログラムの食事で栄養をとる子ども

先日のニュースでもお伝えしたように、現在スリランカは、外貨不足による深刻な経済危機に陥っています。政府に対する抗議活動も巻き起こり、7月中旬には大統領が辞任する事態となっています。燃料の不足も深刻となり、政府は、通学・通勤に使う燃料を節約するために学校を休校にし、公務員には在宅勤務を求めました。経済危機は子どもたちの教育の機会も奪ってしまっています。

現地では、今後の支援活動をより効果的に行うため、600人の子どもたちを対象に実態調査を行いました。調査は、栄養と健康、教育、子どもの保護、青少年の課題の4つの分野で行い、以下のようなことが分かっています。

・82%の子どもたちが食事の量を減らしていて、約4分の1の子どもたちが低体重になっている
・64%の子どもたちが、学校に行けたり行けなかったりと、不規測な登校となっている。
・90%の子どもたちが自分の将来に不安を感じている
・30%の子どもたちが、家庭内に緊張感があり、ストレスを感じるような環境だと話している。
・85%の青少年が、交通費や授業料の支払いが難しくなり、学校や職業訓練校への出席が不規則になっている。

チャイルド・ファンド・ジャパンは、この調査結果をふまえるとともに、経済危機が長期化する可能性も考え、子どもたちや家族への直接的な支援だけではなく、地域の力を高め、地域の力を引き出す支援にも力を入れていきます。

地域内で栄養のとれる食事を共同でつくり、子どもたちや妊産婦を中心に配布している

具体的には、以下のような短期的な支援と長期的な支援を行っていきます。

[短期的な支援活動]
・地域での給食プログラムを支援し、子どもや妊産婦が適切な食事の量を保つことができるようにする
・家庭菜園をこれまで以上に支援し、地域や家庭レベルで食糧を確保できるようにする
・学用品や通学のバス代などを支給し、子どもの教育が継続できるように支援する
・チャイルド・フレンドリー・スペース(子どもにやさしい空間)での活動を通して、子どもたちの心のケアを行う。

[長期的な支援活動]
・地域のリーダーを育成するなどして、地域自身が困難に対処できるような仕組みづくりをさらに進める。
・地域に、野菜などの種子バンクをつくり、持続的に食糧が確保できるようにする。
・地域が主体となった、学校教育を補う教育プログラムを支援し、困難な状況であっても子どもたちが学び続けることができるようにする。

現地のスタッフからは、「この経済危機は今後数カ月でより悪化するだろう」といった声も聞かれています。チャイルド・ファンド・ジャパンでは、今後も、現地スタッフおよびアライアンスのメンバー団体と連携しながら、子どもたちを守り続けるための支援を続けてまいります。