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「少数民族などの子どもの未来を開く 子どもにやさしい学校づくりプロジェクト」第1期の事業が完了しました!

チャイルド・ファンド・ジャパンはネパールにおいて、日本NGO連携無償資金協力と、皆さまからのご支援により、2022年2月より「少数民族などの子どもの未来を開く 子どもにやさしい学校づくりプロジェクト 第1期」として、校舎建設や、子どもにやさしい学校づくり研修などを実施してきました。

ネパールでは2015年、マグニチュード7.8の大地震が発生し、多くの方が犠牲になりました。プロジェクトの事業地であるゴルカ郡でも多くの校舎が倒壊し、現在は再建が進んでいるものの、子どもの人口に対して学校が少ない地域も多く存在し、安全基準を満たしていない古い校舎を使わざるを得ない学校が存在します。

本プロジェクトでは、昨年2月より、ネパール教育省の学校安全基準を満たす耐震性の高い校舎の建設をスタート。先日、3階建て9教室の新しい校舎が完成しました。

校舎敷地内には、手洗い場も設置。清潔な水が使えることで、感染症の予防など、子どもたちの衛生環境を整えることができました。

また、障がいのある生徒やジェンダーに配慮したトイレも建設しました。男子トイレ、女子トイレそれぞれ1箇所ずつ手すりを設置した他、女子トイレには外の焼却炉にそのまま繋がる生理用品の廃棄穴を作りました。

子どもたちや先生からは、校舎の建設に対して感謝や喜びの声がたくさん届きました。

「新しい学校の好きなところは、きれいな校舎と、教室の壁に描かれた英語や数字です。友達や先生と、こうしたイラストを見ながら勉強することが好きです」(3年生・男の子)

「学校のトイレが新しくなって、とても使いやすいです。以前は何人も並んでいて、休憩時間の間に行けないこともありました。水場で友だちと遊ぶのも好きです。」(2年生・女の子)

「以前の校舎からは、想像もできないほど頑丈できれいな校舎です。子どもたちが楽しそうに通う姿を見て自分も嬉しいです。日本の皆さまのご支援に心から感謝します。」(校長先生)

以前の校舎の様子

また、このプロジェクトでは、校舎の建設だけでなく、近隣3校の教員や自治体職員、保護者も対象とし、「子どもにやさしい学校づくり」を目的とした研修を行いました。この「子どもにやさしい学校づくり」はネパール政府が優先課題の一つとしており、その目的は、特に農村部の子どもや障がいのある子ども、少数民族の子どもなど、弱い立場におかれた子どもたちを含むすべての子どもたちへ質の高い教育への平等なアクセスを実現することです。

研修に参加した先生は次のように話しています。

「学年別に、子どもたちが集中して楽しんでくれる教材づくりを学ぶことができ、今後、自分の授業でも実践していきたいです。また、他の学校の先生と意見交換をできたこともとても良い経験でした」

今回の事業を担当した現地駐在プロジェクト・マネージャーの本田は、1年間の事業の終了を迎え、次のように話しています。

「先生たちは勉強熱心ですが、先生たち自身も遠方から学校へ通っているケースも多く、それぞれの家庭もあることから、授業の準備が十分にできないこともあります。結果として、教科書を読み上げるなど画一的な授業になってしまいますが、今回私たちは、先生だけが準備をするのではなく、子どもたちがグループワークで一緒に教材を作りながら、英語や数字を学ぶことができる教材づくりについても重点的に研修に盛り込みました。ネパールの子どもたちは、私が学校へ行くと英語を使いたがるなど、積極的で潜在能力にあふれた子どもたちです。今回の私たちの研修や、新設した校舎が、彼らがより能力を発揮する環境づくりに繋がったと考えています。」

この1年の皆さまからの多大なご支援により、ゴルカ郡では、子どもたちが安心して学べる校舎の再建を行うことができ、多くの子どもたちの教育環境を整えることができました。ご支援くださった皆さま、誠にありがとうございます。

プロジェクトは2023年3月末から第2期がスタート。今後、地震に強い校舎建設、教育の質の向上研修を行っていきます(詳しくはこちらでお伝えしています)。皆さまからの引き続きの温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。