教育支援で歩みを進める スリランカのチャイルド ハーニダのストーリー
スリランカ北西部の支援地域プッタラム県。農業や漁業で生計を立てる人が多い地域で、野生の象がよく見かけられる場所でもあります。14歳の女の子ハーニダは、このプッタラム県で家族とともに暮らしています。経済的に厳しい環境の中、ハーニダの生活は様々な困難に満ちていました。彼女の両親には安定した仕事がなく、生活することさえ一苦労でした。しかし、この困難に立ち向かい、ハーニダは決して諦めることなく、前を向いて歩み続けています。
ハーニダの読み書きの能力は基本的な単語がわかるレベルに留まり、数学の能力も99まで数えられる程度でした。また、野生の像が、地域の農地を荒らしてしまうことがあり、ハーニダの家族や地域の人々の生活を一層困難にしていました。2022年には国が経済危機に陥り、物価が高騰するなどし、学校に通い続けることが極めて難しい状況になってしまいました。
しかし、チャイルド・ファンド・ジャパンの補習クラスなどの教育支援が、彼女の生活を大きく変えました。
支援を受け、ハーニダは靴、制服、バッグ、文房具など学校に通うために必要なものを受け取り、安定して学校に通うことができるようになりました。出席率が安定すると、成績も上昇し始めました。補習クラスの支援にも参加し、簡単な単語がわかる程度だった彼女が、今ではお話を作って楽しむことができるようになり、数学についても、数を数えられるだけだったのが、計算もできるようになっていきました。
ハーニダは、自分だけでなく、地域にも影響を与えるようになりました。地域の支援プログラムに積極的に参加し、他の人々にとっての希望となっています。彼女の母親は、ハーニダの成長と変化を目の当たりにし、「ハーニダは、年齢があがっていっただけではなく、知識を身に着け、自分に自信をもつようになりました。この厳しい環境の中で、困難を乗り越えて、読み書きができるようになるとは思っていませんでした。ハーニダの成長は奇跡のように感じます」と語ります。
継続的な支援に支えられ、逆境に負けない強い意志をもって、困難を乗り越えていくハーニダ。チャイルド・ファンド・ジャパンは、これからもこうした厳しい環境にある子どもたちを支援し、子どもたちと地域をエンパワメントしていきます。