【ネパール大地震】緊急支援から長期的支援へ
昨年4月に起きたネパール大地震。発生直後から緊急支援を行ってきたチャイルド・ファンド・ジャパンは、2016年4月より、長期的に子どもたちの成長を支えるスポンサーシップ・プログラムを拡大します。 (ネパール事務所長 田中真理子)
2015年4月25日、ネパールで巨大な地震が発生し、広い地域にわたって被害をもたらしました。8,700名以上の死者、GDPの約4分の1相当の経済的損失の被害があったと報道されました。チャイルド・ファンド・ジャパンは26日には緊急支援の実施を決定し、私は現地事務所の責任者としての役割を担ってきました。
緊急支援の現場から報告する田中ネパール事務所長
5月1日から数回にわたって実施した緊急支援物資の配布では、累計約6,200世帯に米や豆、塩などを届けることができました。これまでとは比較できないほど大規模の緊急支援であったこと、支援する側のスタッフ自身も被災者であるという状況のなか、時間との戦いとなる緊急支援は難航しました。それでも無事に支援を実施できた背景には、これまでの活動の実績から、地域の人々との信頼関係が築かれていたということがあります。
食料や防水シートの配布から始めた私たちの活動は、子どもの教育を支えるための活動にも範囲を広げてきました。これまでに、子どもたちの学びと遊びの権利を守る場であるチャイルド・センタード・スペースの支援、仮設教室の建設、学用品セット、教材セットの配布などの活動を行ってきました。
自然災害の常として、メディアで報道され、世界からの注目が集まるのは、発生したあとの短い期間だけです。しかし復興には長い時間がかかります。特に、ネパールのような貧しい国が今回のような大災害から復興するには、10年単位で見通す必要があります。そしてその時、復興を担っているのは、今学校に通っている子どもたちです。被災した子どもたちの教育を支えることは、少なくとも短期的には、子どもたちの学ぶ権利を守るためです。しかしより長期的には、ネパールの復興の基盤を固める意味を持ちます。
チャイルド・ファンド・ジャパンは、2016年度よりネパールでのスポンサーシップ・プログラムを拡充します。子どもたちの教育、健全な成長を支えるための長期的な支援方法です。また、支援者と子どもの一対一のつながりを大切にしており、手紙での交流を通じて内面的な成長をも支えることができます。
日本の皆さまには、ネパールの子どもたちをご支援いただきたく、お願い申しあげます。皆さまのご支援を受けて、成長した子どもたちが、ネパールの未来を明るくさせていくことを期待しています。