デニスを支え、明るい未来への道を開いたスポンサーさんの支援
フィリピンに暮らすデニスがスポンサーシップ・プログラムの支援を受けるようになったのは、ハイスクール1年生の時でした。デニスには6人のきょうだいがおり、警察官の父親の収入では、デニスを小学校にやるのがやっとで、子どもたち全員に十分な教育を受けさせるのが難しかったのです。この頃のデニスは、家で読書などをして一人で過ごすことが好きな少年でした。当時スポンサーさんに送られたプロフィールにも、「知らない人とは話さない」、「恥ずかしがりや」というように書かれています。それでも勉強熱心で成績優秀だったデニスは、チャイルド・ファンド・ジャパンの支援によって、大学に進学できることになりました。
デニスは数学の先生になることを目指して、大学では教育学を学びました。先生になって、生徒たちを教え導くことが、自分の勉強を支えてくれたスポンサーさんへの恩返しになると考えたからでした。目標をしっかりと持っていたデニスは、勉強だけでなく課外活動にも熱心に取り組み、学年で2番めという優秀な成績で大学を卒業しました。
大学の卒業式で、両親とともに
しかしデニスは、国のために自分の力を活かしたいという想いも持ち始めていました。そして大学を卒業してすぐ、父親の背中を追うように、警察学校に入学します。幹部警察官を養成するこの学校で4年間の厳しい授業や訓練を受けるなか、級長にも選ばれ、クラスのリーダーとして活躍しました。また、少ない自由時間をやりくりしながら独学で勉強を続け、教員免許試験にも合格しました。デニスは警察学校でも優れた成績を収め、首席で卒業することができました。あの恥ずかしがりやだったデニスは、卒業生代表として、数千人の前で堂々とスピーチを行いました。
警察学校を修了し、晴れて警察官となったデニス
デニスは現在、警部として特殊部隊に所属し、フィリピンの人々のために働き、地域の治安を守っています。支援を受けている間、デニスの可能性を信じて励ましてくれたスポンサーさんの存在は、デニスにとって、とても大きな支えでした。「スポンサーさんのおかげで、勉強をがんばることができました。それに、自分が支援を受けたことから、恩返しとして社会のために貢献したいと思うようになり、将来の目標も見つけることができました。今の自分があるのはスポンサーさんのおかげです」と、デニスは話します。小学校を卒業し、ハイスクールで勉強を続ける機会を持つことができなかったら、デニスの人生は全く違ったものになっていたはずです。デニスを変え、目標を持った明るい未来を開いてくれたのは、スポンサーシップ・プログラムを通して届けられた、スポンサーさんからの温かい支援だったのです。
デニスの成長を見守ってきたセンター長のエドウィナさん(右)とセンターを運営する団体の理事長であるボブさん(左)