緊急・復興支援

パレスチナ・ガザ緊急支援

過去に類を見ないほどの深刻な人道危機

2023年10月7日、パレスチナ自治区ガザを拠点とする武装組織とイスラエルとの間で、大規模な軍事衝突が始まりました。これまでになくなった方は40,000人以上。そのうちの70%は子どもたちや女性です(2024年8月時点)。

特に、「天井のない監獄」とも称されるガザ地区では、人口220万人の大半が家を追われ、全人口の75%が繰り返し立ち退きを余儀なくされて、国内避難民となっています。爆撃にともない、家屋や学校、道路や水道が破壊され、外部からの人道支援も非常に制限されるため、学校はおろか、飲料水の供給を含む上下水道や医療等の基本的な社会サービスも滞り、食糧の確保もままならない限界状態が続いています。

避難所における衛生環境も大きな課題です。ある地区では、避難所となっている6つの学校において、合計62,000人以上が身を潜めており、極めて密集した環境で人々が生活しています。トイレや手洗い場は損壊し、ゴミ処理も追いつかず、感染症が爆発的にまん延することが危惧されています。

現地で支援活動に携わっている、緊急支援の経験が豊富なスタッフも、これまでに類を見ない極めて深刻な人道危機であると、その現状を語っています。

人道危機発生直後の現地スタッフからの音声レポート

水と衛生を中心とした人々の尊厳を守る支援

私たちチャイルド・ファンドは、イタリアのチャイルド・ファンド(WeWorld)が、パレスチナ・ガザ地区において1997年以来、支援活動を続けてきました。家庭におけるインフラの改善を通じて、水や衛生、保健に関連した支援を行うとともに、保健・教育施設でのニーズにも焦点を当てて活動してきました。

こうしたこれまでの活動の経験と現地での実績をふまえ、チャイルド・ファンドは、今回の人道危機に対しガザ地区での緊急支援を行っています。国連のクラスターシステムと連携し、水、衛生分野での支援活動を続けています。

※国連機関やNGOが連携し、それぞれの専門性を生かしたグループをつくって人道危機への支援を行っていく仕組み。

これまでに届けてきた主な支援は以下のとおりです。

子どもたち35万人を含む約60万人に、給水車やペットボトルなどによって、安全な水を届けてきました。
簡易トイレの設置などの支援を、約10万人に届けました。トイレは男女別で、鍵も設置し、緊急下であっても、人々のプライバシーや尊厳が守られるようにしています。
34万人に対して、石けんなどの衛生キットの配布や、避難所の衛生を保つ清掃活動を行いました。
食糧セットを、子どもたち2万9000人を含む、約4万9000人に届けました。

ガザ地区の子どもたちの命と尊厳を守るためにご協力を

2025年1月15日、イスラエルとイスラム組織ハマスの間で、停戦の合意がされたことが発表されました。長期化していた人道危機に、明るい兆しが見えてきました。

しかしながら、停戦が本当に実行されるかは不透明であり、また、停戦となったとしても、インフラが壊滅的となったガザ地区において、人々が日常を取り戻すまでには、相当な時間がかかります。

私たちチャイルド・ファンドは、引き続き、現地の状況とニーズを確実に把握し、引き続き緊急支援を行うとともに、停戦後には復興支援も行っていく予定です。

ガザ地区の子どもたちの命と尊厳を守るため、これからも皆さまの支援が必要です。どうかお力をおかしください。

パレスチナ・ガザ緊急支援レポート