フィリピン

支援地域紹介 1034:南部ミンダナオ 南コトバト州

Philippines

1034:南部ミンダナオ 南コトバト州

支援開始年 1996年

支援地域の状況

南コタバト州の支援地域はマニラの南東約1,000kmに位置するフィリピンの最南端の町で、近年急速に開発が進められています。
日本へ輸出されるマグロの漁港があり、同じく日本向けのパイナップルやアスパラガスを生産する大規模農園(プランテーション)もあります。地域にはイスラム教徒とキリスト教徒、また、山岳少数民族が暮らしています。
支援地域は小さな漁村で、人々は零細漁民として生計を立てるほか、波止場で荷役作業をしたり、不定期な日雇い労働で収入を得ています。
月の平均収入は1,000~1,500ペソで、国の定める最低生活費(6人家族が1ヶ月暮らすのに必要な最低限の費用)である12,500ペソを大きく下回っています(1ペソ=2円、2011年9月現在)。
1日3回の食事を取れない家庭もあり、子どもたちの25%は栄養不良です。トイレがある家も少なく、安全な飲料水を得られる家も限られています。
地域には小学校がひとつあるだけで、ハイスクールへは交通費をかけて町まで行くか、町に下宿して通わなければなりません。しかしこの費用を負担できる家庭はごく限られています。親も小学校1、2年しか終えていない人が多くいます。

子どもの教育状況

フィリピンの教育制度は幼稚園(1年間)、小学校(6年間)とジュニアハイスクール(4年間)、シニアハイスクール(2年間)からなります。(K to 12と呼ばれる新しい教育制度の導入により、基礎教育期間が10年から12年に延長されました。)
学費は無償ですが、文房具や制服、交通費やお昼ご飯は自己負担で、これらが準備できなくなるため学校に通えなくなる子どもたちがいます。


支援活動

現地では子どもたちの教育・保健環境を整えたり、職業訓練などを実施して人々の生活改善に取り組んでいます。例えば村の保健ボランティアワーカーを養成して子どもたちの健康を守ったり、小規模ビジネス(トレーニングや融資)を普及させることによって収入向上を図り、生活状況の改善を行います。
そして親たちで作る組織が自分の力で子どもたちの成長を支えられるよう、自立に向けて活動しています。
将来的に子どもたちの成長と健康が地域の人々自身の手によって支えられるよう、自立に向けた様々なトレーニングを実施します。