フィリピン

支援地域紹介 1035:北部ルソン カビテ州

Philippines

1035:北部ルソン カビテ州

支援開始年 1996年

支援地域の状況

支援地域はマニラの南40kmほどに位置する農村地域でしたが、近年、マニラの近郊として住宅地の開発が進んでいます。フィリピン政府は、マニラのスラム地域解消の手段として、この地域に大規模な再定移住地区を設け、スラム住民を強制的に移転させてきました。
活動対象としている村も、1993年頃からマニラのトンド地区のスラム住民が移転させられ、新しい生活が始まっています。しかし、この地域では仕事が見つけにくいため生活は不安定で、電気や水道もまだ限られた家しか利用できません。
主な収入源は、マニラへの出稼ぎや、日雇い労働、足拭きマット作り、洗濯請け負いなどで、家計の月収はおよそ1,000~3,000ペソです。
路上でタバコ、新聞、買い物用のビニール袋などを売って家計の足しにしている子どももいます。

子どもの教育状況

フィリピンの教育制度は幼稚園(1年間)、小学校(6年間)とジュニアハイスクール(4年間)、シニアハイスクール(2年間)からなります。(K to 12と呼ばれる新しい教育制度の導入により、基礎教育期間が10年から12年に延長されました。)
学費は無償ですが、文房具や制服、交通費やお昼ご飯は自己負担で、これらが準備できなくなるため学校に通えなくなる子どもたちがいます。


支援活動

この地域の協力団体はこの地区の住民がトンドに住んでいたときから、ボランティア保健師を訓練するなどの支援をしてきました。
現地では、これらの訓練された保健師の人たちを核にして、住民たちが自らの力で地域の問題や生活改善に取り組めるよう、保健セミナーや収入向上プロジェクトを進めています。具体的には生薬の生産・販売、制服や生活雑貨の縫製・販売などを行っています。
また、就学前の子どものために幼稚園を運営すると共に、学齢期のチャイルドたちの教育を保障しています。そして子どもたちが健全に成長し、地域の中で協力していけるように支援しています。