第4回:フィリピン
以前フィリピンを訪問されたことがあると伺いましたが、いつ頃でしょうか?
10数年前、以前からずっと支援しているフィリピンの施設と学校を訪問したことがあります。子どもたちが歓迎してくれて、歌やダンスを披露してくれました。元気に学校に通っている様子を見て安心しましたが、一方で街のいたる所に、ストリートチルドレンの姿があり、日本とは全く違う状況を目の当たりにしてショックを受けました。「ぼくには何かができるだろうか?」と考え、わずかではありますが、今でも途切れることなく支援をしています。
最近、フィリピンは観光地としても紹介されることがありますが、チャイルドたちが住む地域はまだまだ支援が必要です。
都市部と農村部の格差が広がっている状況はフィリピンでもおこっているのですね。ますます取りこぼされていく子どもたちが増えていくでしょうから、大人のぼくたちがサポートしないといけないと思います。チャイルド・ファンド・ジャパンが支援する子どもたちは、その地域で厳しい状況にある子どもたちから優先的に支援をおこなっていると聞きました。どのぐらい厳しいのでしょうか?
支援しているチャイルドの家族の平均所得は、フィリピンで貧困とされる所得レベルの半分程度しかありません。スポンサーシップ・プログラムでは、チャイルド本人への支援だけではなく、家族の経済状況の改善のために、お父さん、お母さんへ少額支援貸し付けを行う収入向上プログラムも実施しています。さらにチャイルドの暮らす地域全体のために、地域の人々のための協同組合などの立ち上げを支援したりします。
子どもの数も多いと思うので、お父さんとお母さんは必死ですね。出稼ぎに行くお父さんとお母さんもいると聞きます。チャイルド・ファンド・ジャパンの支援は子どもだけでなく、家族にも支援をおこなっているのがとても良いと思います。前回(第3回)のインタビューで、フィリピンでは学校へ通い続けられない子どもたちがいると聞きました。お父さん、お母さんが貧しさのために残念ながら学校を中退してしまった方もいるでしょうから、収入が増えるようになるための学ぶ機会を提供し、家族の成長をサポートするのは大切なことと思います。
フィリピンは近年、「K to 12」という教育制度に変更し、中等教育は今までよりも2年長い中等教育を受けることになりました。チャイルド・ファンド・ジャパンも12年生まで支援します。
日本と同じですね。子どもたちにとって、学ぶ期間が長くなったということは、知る機会が増えることになりますから、とても良いことだと思います。ぼくが支援しているアリアナちゃんとサイジルくんは今年小学校6年生だから、あと7年間勉強を続けるということですね。ぼくも7年間頑張らなくちゃいけませんね。前回のインタビューでは、小学校を卒業できない子どもたちもいると聞きました。中等教育になれば、勉強も難しくなるでしょうから、勉強を続けるにはぼくたちスポンサーのサポートがますます必要ですね。