第8回:自信を持つこと
まず最初に…昨年12月末に大型の台風がフィリピンを通過し、被害が出ていると聞きました。ぼくが支援しているアリアナちゃんとサイジルくんはもちろんですが、チャイルド・ファンド・ジャパンが支援している子どもたちのことが気になりました。状況はどうだったのでしょうか?
クリスマスの時期に発生した台風により、フィリピン南部の支援地域で浸水の被害が出たため、被害を受けた家庭に対しては学用品と調理器具の配布をおこないました。ご心配くださり、ありがとうございます。
フィリピンのことは気にかけていて、ニュースでも流れると自然と見てしまいます。チャイルドを自分の家族と同じように気にしているぼくがいます。写真やお手紙を通して交流を続けているからでしょうね。きっと他の支援者さんも同じだと思います。
チャイルドたちが聞いたらとても喜ぶと思います。「遠く離れた日本から自分のことを気にかけてくれている人がいる」ことは子どもたちの励みもなります。さて、今回のテーマは「自信をもつこと」です。厳しい環境の中で暮らすチャイルドたちの中には、「自分に自信をもつ」ことが難しい子どもたちもいますが、郷ひろみさんが自信をつけるために取り組んでいらっしゃることはありますか?
「他人と比べて自分を評価しない」ということを常に心がけています。他人と比べ自分が劣っていると感じた時、本来であれば、自分が努力しなければいけないのに、どうしても相手への恨みや妬みの感情が先行してしまい、本質を見誤ってしまう。また、自分の方が勝っていると優越感にひたったら、そこで終わりだと思っています。だから、もし比べるとしたら対象は自分自身。自分が納得するまで努力し、それにより得た成果の積み重ねが自信につながると感じています。
子どもたちが自信をもつ過程では、親の存在も大きいと思いますが、郷ひろみさんがご両親から教わったことをご紹介いただけますか?
小さい頃に両親から教わったことが、今のぼくの生き方に表れているな、という実感はあります。ぼくは母親から言葉遣いや礼儀作法を厳しく教えられました。母は基本を大切にしていましたから。また、常に相手の気持ちを考えて行動している母の姿を見て育ちました。芸能界に入り、大勢の方と仕事を一緒にするようになった今でも、母からの教えを大切にしています。「他人と比べず、自分を磨く」ことも、今思えば母から教わったのかもしれませんね。
ご支援いただいているチャイルド2人の様子はいかがでしょうか?
アリアナちゃんのお手紙に「キャンプに参加し、チームワークの大切さを学びました。一人では難しいことも、チームで取り組めば課題は解決できることを知りました」と書いてありました。チームワークでの学びが自信につながっているように感じました。また、「他の人に敬意を持ち、威張ることをしないことを学びました。」とも書いてありました。まさにぼくが大切にしている「他人と比べて自分を評価しない」ことを学んでいる様子がわかり、嬉しくなりました。 サイジルくんは、お手紙の中では、自信をつけてきている様子はわからなかったのですが、「お母さんのお手伝いをしています」という記載がありました。何気ない一言でしたが、ぼくが忘れかけていた「大切なこと」が隠されている気がして、「ハッと」させられました。チャイルドとの交流からぼくも色々学んでいます。