みんなで守る 子どもの権利プロジェクト
コロナ禍が依然として収束しない中、チャイルド・ファンド・ジャパンの支援するフィリピンでは、2020年3月から対面授業の休止が続き、すでに2年以上にわたっています。この間、子どもたちは、「モジュール学習」と呼ばれる、冊子形式の課題に取り組む自宅学習を続けてきました。
兄弟で自宅学習に取り組む子どもたち
フィリピン政府は、2021年11月から、一部の学校において、対面授業の試験運用を開始しました。ソーシャルディスタンスをとり、マスクを着用した状態での授業は、「黒板が見えづらい」「先生の声が聞き取りづらい」といった不満もあるものの、子どもたちは待ち望んでいた学校再開を喜んでいました。
試験運用の結果をふまえて、政府は、一定の基準を満たせば学校の対面授業を再開することができると発表しました。しかし、学校の再開にあたって、子どもたちや学校は様々な課題を抱えています。
例えば、学校再開のためには、マスクの着用など感染予防対策を取ることが条件となっており、ロックダウンの影響で収入が減少した家庭も少なくないなかそうした費用が負担となっています。また、学校関係者がワクチン接種を完了していることも学校再開の条件ですが、現地スタッフによるといまだ接種が完了していない人もいると言います。
学校や先生の負担も課題の一つです。今回再開される対面授業では、教室に入れる人数が制限されるため、子どもたちは隔週などで対面授業と自宅学習を交互に繰り返す形で学んでいきます。学校や先生にとっては、授業用の資料と自宅学習用の教材の両方を準備する必要があり、印刷用紙などの備品が不足する、教材の準備のために先生に大きな負荷がかかるなどの課題が生まれています。
人数制限された教室の様子
チャイルド・ファンド・ジャパンでは、長年フィリピンで実施してきた「みんなで守る 子どもの権利プロジェクト」を継承しつつ、昨年度は「地域で支える コロナ禍の子どもの保護プロジェクト」を実施しました。今年度は、学校再開の見通しを受け、子どもたちが感染リスクから守られ安心して学校に通い続けることができるようにするための支援に注力していきます。プロジェクト名も「みんなで守る 子どもの権利プロジェクト」とし、子どもたちの健康に育つ権利、学ぶ権利といった「子どもの権利」に基づいて活動を行います。
具体的な支援活動は以下のとおりです。
・石けんやマスク、アルコール消毒液の配布などを行い、各学校が安全基準をクリアすることができるよう支援し、学校が早期に再開できるようにする
・ワクチンに関するポスター等の作成を継続し、子どもたちや学校関係者に、3回目接種を含めたワクチンの接種を促す
・関係者との話し合いの場を設け、学校再開に向けた諸問題へ対応することができるよう支援する。
こうした支援に加え、スポンサーシップ・プログラムでの支援を通して学校の備品提供を行うなどし、子どもたちと家族、学校、地域を全体的に支えていきます。
世界でも類を見ない異例の長期休校となったフィリピンにおいて、学校が速やかに再開され、子どもたちが安心して通い続けられるようにすることが求められています。チャイルド・ファンド・ジャパンは、子どもの学ぶ権利を守り、未来を開くことができるよう支援を続けていきます。引き続き、ご協力くださいますよう、お願い申しあげます。
*「みんなで守る 子どもの権利プロジェクト」の欄に金額をご入力ください。
*チャイルド・ファンド・ジャパンは「認定NPO法人」として認定されており、寄付金控除が可能です。
みんなで守る 子どもの権利プロジェクト
事業概要 | 教育省から学校再開の基準が示される中、基準を満たすための感染予防支援を行い、学校が速やかに再開され、子どもたち安心して学校へ通うことができるようにします。 |
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支援対象 | スポンサーシップ・プログラムの支援を受けるチャイルド、学校関係者 |
協力団体 | フィリピンの各支援地域における協力団体 |